「蟹工船ブーム」記事に思う2008年08月25日 23:57

中日新聞8/24付け、2面に掲載の記事

癒し系/なごみ系の当ブログですが、今日は少しHeavyな内容です。

昨日の中日新聞で、「蟹工船ブーム」を受けて今の「貧困」問題に対する意見が、片や自民党から(あの)義家さん、片や共産党の大門さんを対置する形で掲載されていました。お二人の意見の相違を一言でいえば、「ワーキングプア」の言葉に代表される昨今の「貧困」の原因について、義家さんはより個人の責任に重きを置く考え方、一方の大門さんはより社会制度に重きを置く考え方のようです。自民党は雑多な考え方の集合体なので、義家さんの主張が必ずしも自民党の考えではないと思いますが、「貧困」の是正策を「教育」に求める当たりは義家さんらしいと思います。一方の大門さんは、労働法制度の問題ひいては「新自由主義」という経済政策の問題だと述べています。いずれの考え方もそれなりにわかるのですが、今回の「対決」について私は大門さんに軍配を上げたいです。義家さんの主張は、ややもすると20年ほど前の非行に走った若者と昨今の非正規雇用労働者を同一視している感があります。私の職場でもたくさんの非正規雇用の方々が見えますが、義家さんの前半部分のコメントに対して「非正規」の人たちの待遇の悪さは 決してそんなモンじゃない!といいたいです。もちろん、非正規雇用の全てがそんなにひどい状況というわけではありません。しかし、人生におけるちょっとした選択ミスや自分の責任ではない状況で、滑り落ちてしまうのが最近の世の中です。自分の子どもがこの先「普通に」学校を卒業しても、何かの事情で結局「非正規」になってしまうようなことは十分考えられます。そんなことを考えると、胸が痛みます。どっかの知事ではありませんが、「どげんかせんといかん!」と強く思います。

そんな気持ちもあって、先日の記事に少し書いたようにこの夏の読書の中に「反貧困」という本が混じっています。まだ途中なのですが、「普通に」生活している私たちが貧困にあえぐ方々の気持ちを理解するのは、 非常に難しいことだとわかりました。国民の多くが「普通に」生活していると感じ、「一億中流意識」と揶揄されたあのころには、もう戻れないのでしょうか。今の方がいいと考える人の方が多いのでしょうか。 お金を払って買ったペットと戯れ、鉄道模型なんぞにうつつをぬかすようすを、職場で誰とでも気兼ねなく話せる日が来ることを切に願います。

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