春の初めに星雲星団をCMOSカメラで①2023年03月19日 23:45


ちょっと大きいけどよく写ってます
さすがに桜の開花宣言がされたので「冬の終わり・・・」というわけにもいかずタイトルを「春の初めに・・・」に変更しましたが、前回からの続きです。画像の拡大率がもう少し大きい方が良いと感じ、焦点距離:400mmのビクセンA80SSをつかってみました。この鏡筒、青ハロならず赤ハロ?が出るので写真撮影には使うつもりはなかったのですが、構図の確認の目的ならともう?年ぶりの出動です。
M101もここまで写ってくれたことはなかった
今回は速報版ということで、カラーのM42と白黒のM101銀河をご紹介。
M42はちょっと拡大過ぎな感じ・・・。M42の構図を考えるともう少しおさえたところで350mmくらいがいいのかなあ。構図のことよりも、FMA180の口径:40mm→80mmになったことでかなりよく写ってる!今回は露出時間を8秒にしたこともありますが、やはり口径のちがいは大きい!
となると、口径70~80mmで焦点距離:350mmあたりが、Uranus-Cにはいいところでしょうか。
※FMA180の口径を50→40に修正しました。(3/20AM)


天体の楽しみ方:眼視派?写真派?電子観望派?2023年03月20日 17:36


燃え木と馬頭星雲:これくらいPC画面で確認できます
鉄道の楽しみ方でいろんな「○鉄」があるように、天体の楽しみ方も人それぞれ。対象とする天体でも分かれますが、観望のやり方でも、ひたすら自分の目で見ることにこだわる眼視派、(最近は少ないかもしれませんが)見た天体をスケッチに残すスケッチ派、天文誌にのるような写真を撮影する写真派・・・・。かつては私は「眼視派」を標榜していましたが寄る年波には勝てず、夜空がどんどん明るくなってきたこともあって、もう自分の目では星雲星団を気軽に楽しむことができなくなってきました。
そんなときに見つけた情報が、コンデジLX7を使った縮小コリメート撮影。一気に眼視派→写真派(といっても立派な写真を撮るわけではないのですが)に転向しました。縮小コリメートも撮影した画像をカメラのLCDで見ることはできますが、どうしてもその後の画像処理に時間がとられます。
そして最近登場/機材も手が届くようになったのが、電子観望です。昨晩、以前のようにあちこちの星雲をめぐりながら、「fitファイルデータをあとで画像処理するのもいいけど、その場で見た(表示された)画像をスクリーンショットしてしまえば、あとの処理は不要じゃん!」と気づきました。気づくまではスマホで撮影してましたけど・・・・。
昨晩はビクセンA80SSを久しぶりに使ってみたら、星の形状も色も悲惨な状態だったので、今回は『fitデータをステライメージ9取込み→色のバランスを調整』したのみの画像をUPいたします。
「燃え木+馬頭星雲」のみ、画像処理(トーンカーブ補正+赤色強調)したのがTOP画像です。
<燃え木+馬頭星雲>
fitファイルから画像にして色補正したものはこんな感じ
スタック中のPC画面(SharpCap画像)ではTOP画像程度に馬頭星雲が見えていたんですが、ステライメージで自動カラーバランスをとるとこんな感じです。

<しし座の銀河トリオ:M65、M66、NGC3628>
しし座の銀河トリオ:400mmでいっぱいに広がります
焦点距離:400mmでほぼ思った構図/サイズになりました。もう少しまともな鏡筒なら・・・・。
<おおぐま座の銀河:M81、M82>
M81、M82の銀河ハの字ならび
当地の北方向は、近年「工場夜景」の名所となった四日市コンビナートがあるため星雲星団は望めませんが、この時期はおおくま座が南中ちかくになるので貴重な観望タイミングです。M81の銀河の腕が少し見えるのには感動!

<おおぐま座の銀河:M108と惑星状星雲:M97「ふくろう星雲」>
北斗七星ひしゃくの底にある銀河と惑星状星雲
この2つも同視野におさまります。しかもふくろうの顔もちゃんとわかります。

<おおぐま座の銀河:M101「回転花火銀河」>
トーンカーブ補正しないとこの程度
前記事に画像処理したものをUPしましたが、単純にカラーバランスのみの処理だとこの程度の写り具合です。SharpCap画面もこれくらいかな。でも”その場で生映像”を見られるというのは魅力です。みんなで見られますしね。

<りょうけん座の銀河:M51「子持ち銀河」>
子持ち銀河はうずまきしっかりわかりました
M101もそうですが、子持ち銀河も思っていた以上に大きく見えて、うずまきもよくわかります。電子観望+ライブスタック様々です!

【画像の説明】
・鏡筒:ビクセンA80SS+カメラ:PlayerOne:Uranus-C
・赤道儀:ビクセンGPDにSkyWatcher:GOTOキット装着で自動追尾
・電子観望ソフト:SharpCap4.1(Trial Ver)
・GAIN:500、露出時間:8秒、スタック時間:8分(180frame)、RAW16
・fitファイル保存→ステライメージ9取込み→自動カラーバランス調整


「短焦点化」この手があった!2023年03月21日 17:09


笠井トレーディングの×0.5レデューサがあった!
もともとAsker FMA180とUranus-Cの組合せにしたのは、アンドロメダ大星雲がおさまるのが理由でしたが、いざ使い始めるともうちょっと拡大率がほしい!オリオン座大星雲がおさまってくれる程度に・・・・ということで、A80SSの結果から口径:70~80mm×焦点距離:350~400mmくらいの鏡筒(+レデューサ)は?といろいろ物色した結果、
①SkyWatcter EVOSTAR72EDⅡと専用レデューサ(D:72×f:400→357)
②SHARPSTAR 76EDPHと専用レデューサ(D:76×f:418→342)
が良さそう。画像のできばえにこだわるなら少し高価な②ですが、もともとのコンセプト:「安く気軽に」とこだわるなら①の選択・・・・なやましい。
さあどうしようかと迷っていたところ、手持ち機材+αでなんとかならないのかと再検討。もう何年間もお蔵入り状態のビクセンED80Sが焦点距離:720mm。これにこちらもうまく使えずお蔵入りしていた笠井の0.5×レデューサで360mm!ができあがることに気がつきました。このレデューサ以前、接眼レンズに直付けして視野が確保できなかったことでお蔵入りしていたのですが、改めて使い方などネット情報を集めてみると・・・。
・ZWOのCMOSカメラ(の付属ノーズ)直付けでは使えない。
・センサー面とレデューサの距離で縮小倍率が変化する。
・センサー面から25mmで0.5倍になる。(さらに長くなるとピント合わなくなる)。
などがわかりました。一番明確な説明がされていたのは、Samさんの
そこで早速試してみることに。夜空は天候不順で当分期待できないので、まずは屋外の対象物で縮小倍率とピントが合うかの確認です。Uranus-Cの付属ノーズはZWOのものよりは短めで、センサー筐体上面から25mmです。センサー面からだと+5mmくらい長くなりそうなので、ピントが合うか微妙です。確認内容は、以下の3パターン。
a)レデューサなし
b)Uranus-Cノーズにレデューサを直付け
c)ノーズにフィルタをつけその上にレディーサを取り付け
c)を行ったのは、b)で縮小率がまだ0.5までになっていなかったので、もう少し長さが必要と判断したからです。Uranus-Cとレデューサの組合せ状態:b)はTOP画像。c)は以下の状態です。c)で使用したフィルタは、「Moon&Skyglowフィルタ(メーカー不明)」です。
フィルターを挟んで長さを稼ぎました

結果画像は以下の通りです。上からa,b,c。aに対してb,cは露出時間を半分にしています。
ED80Sでの画像確認

せっかくなので、鏡筒をED103Sにかえて同様に行いました。画像は以下の通り。
せっかくなのでED103Sでもやってみました

どちらの鏡筒でもピントは合っていますが、ED80Sのc)は周辺減光が大きそうです。縮小倍率を算出するため、写真の電柱の横棒の画面上長さをはかっで比較しました。結果をまとめると以下の表になりました。
結果をまとめるとこんな感じ
フィルタをかました状態(センサー筐体上面から34mm)でおおよそ0.5倍になりました。これで、D80×f360mm(F4.5)とD103×398mmの(F3.9)の組合せが完成です。実際の星画像はまだ要確認ですが、出番がなかったものどうしの組合せでまずまずの感触が得られたことは大収穫です。新規購入が必要かは、この組合せの結果を見てからに・・・・。
※表の数値場所が間違っていましたので修正(3/21、21時)


「短焦点化」試行錯誤中・・・2023年03月26日 20:11


A80SSで撮影したM81近くを拡大して色分解比較
この2週間はWBC三昧でした。リアルタイムでWBS放送見て、TV情報番組やらネットニュースやらに時間をついやしていました。そんなわけで、いろんな活動は凍結状態。とはいえ、350~400mm焦点距離化の試行錯誤はぼちぼちと・・・・。改めて整理すると、
①所有の鏡筒をレデューサをつかって短焦点化する。
②400mmのビクセンA80SSを使いこなす。
②は先日の結果を見て早々に諦めてしまったのですが、もう一度考え直してみて、先日撮影画像をちょっと分析。M81、M82を撮影した画像をステライメージを使ってRGBに分解してみました。フルカラー/Rのみ/Gのみ/Bのみを並べたのがTOP画像です。こうしてみると、Rはボケボケ/GとBは合っているようですがGの方が少しピントずれている感じです。となると、改めてピント位置を合わせなおして再挑戦してみる気になってきました。
うわ~!、明るさムラひどいっ!
①ですが、先日実際の星を写して見ようとED103Sをセッティングまで行いましたが、いざ観望始めるといっきに雲が現れ曇天に・・・・。それでも、雲の隙間に見えることもとチャンスをうかがいましたがかなわず。その際にたまたま街灯りが反射した明るい雲をPC画面に映していると・・・・。周辺減光がひどい・・・・というか、灯りが中央へ集中してる?ことに気づきました。
標準ノーズに直付けなら問題なし
CMOSカメラのノーズをかさ上げして、レデューサとセンサー面の距離を少し長くしたものでしたが、オリジナルのノーズにレデューサを直付けしたものはこんな感じで、明るさは均一です。
いろいろ準備してみたんだけど・・・・
ノーズの位置をいろいろ試そうと部材をいろいろ準備してみたのですが、う~ん×0.5にするのはむずかしいのかな。



A80SS、やっぱりピント合わせ難しい2023年03月28日 23:37


バーティノフマスクでピントあわせした画像
ここで取り上げているビクセンA80SSの特性が、A80SS共通のものか、私が所有している個体特有のものかはわかっておりませんので、この点はご留意ください。
今夜は改めて、
①A80SSをバーティノフマスクでびしっとピント合わせして撮影
②①のピント位置から星の周りの赤いボケ像が消えるピント位置で撮影
を行ってみました。TOP画像が①のスクリーンショット。やはりバーティノフマスクで合わせても、赤色はぼやけた状態です。そこで、ピント位置をずらして、星の周りの赤が消える位置へ調整するとこんな画像。青ハロがかなりひどい状態になります。
星の周りの赤がなくなるピント位置

②の画像を後処理で、青ハロ除去すると以下の通り。それなりではあるけど、星がすっきりしないので撮影画像としては・・・・・。
さらに青ハロ除去処理してみた画像です

電子観望としてなら②の状態でなんとか使えるか?ですが、写真画像としては我慢できないなあ。
このあとED103Sにさしかえて追加確認を行っています。その報告は明日へ。


では、ED103Sに×0.5レデューサの結果2023年03月29日 11:03


ED103SとUranus-Cで月を撮影
A80SSの電子観望は一旦あきらめて、ED103Sと笠井×0.5レデューサの組合せでの確認結果です。
TOP画像はレデューサなしで、ED103SとUranus-Cの組合せで撮影した画像です。半月くらいまでならおさまりそうです。
Uranus-Cに標準でついているノーズの先にレデューサを取り付けて撮影した画像が下です。寸法的には0.57倍になっています。
×0.5をノーズ先に取り付けて撮影


昼間の撮影結果から、レデューサを使うと周辺減光があったので、その確認結果です。上がレデューサなし、下がレデューサをノーズ先に取り付けた状態です。周辺減光と星の形も変形しているのがわかります。
ED103Sとレデューサなし
ノーズ先にレデューサ取り付けて撮影
短辺長の正方形エリアなら大丈夫かな?さあ、どうしようか・・・・。
次はSE120でも確認しておこうかな。