「ヒトの見ている世界、蝶の見ている世界」2012年03月26日 23:27

「見る」の切り口で、いろんなお話盛りだくさん

新聞の紹介欄でたまたま見つけ読んでみました。期待以上におもしろっ!私たちが目にしている世界、黄色い花は黄色く緑の葉は緑色で存在しているものだと思っていましたが、実はヒトが勝手にそう思い込んでいるだけのこと・・・・鳥や昆虫にはもっと違う色に見えている。物理的には、波長が異なるだけの「光」を、ヒトは赤・緑・青を感じ取る3種の視細胞からの信号を脳がうけ合成してイメージを作っているのだそうです。そして昆虫は紫外線領域を感じ取る第4の視細胞があるため、4種の”色”を合成してヒトとはまったく違うイメージを作っている・・・・でもヒトにはどうがんばってもそれは見ることができない世界なのです。この本では、ヒトの「見る」メカニズムの説明から始まって、虫や鳥の「見る」、地球上ではじめて誕生した生物から陸上へ上がった生物、恐竜、そしてほ乳類への進化とともに「見る」ことの進化がどう進んだのか、光でなく音で「見る」コウモリの生態・・・はては”宇宙人”の話題まで、「見る」という切り口でいろんなお話が登場します。その内容は、はじめて知ることや驚きの連続です。そして、私たち生物の「見る」という能力の進化とともに、「見られる」側「見せる」側との関係(保護色であったり警告色であったり)、そこから先日まで読んでいた「聞く力」の内容と重なって、聞かせたいこと、見せたいこと・・・・という、生物どうしのつながり:コミュニケーションまで思いを馳せることになりました。書店にはあまり積まれていませんが、ぜひぜひおすすめの本です。