SE120で撮る初夏の球状星団2015年06月07日 10:30

「眼視派」を自称していた私が、「縮小コリメート法」で気軽に星雲星団写真を撮ることを知り、はまってしまった結果、以前のようにじっくり眼視をすることがなくなってしまいました。そこで、写真を撮るかたわらで待ち時間(露光時間中)にゆっくり星空ながめをと思い、ヤフオクで購入したのがSE120鏡筒でした。
ところがなかなか登場させる機会がなく、「おうち観望」とはいえやはり2台を設置するのは、なかなかめんどうなことを実感。かなりの間出番がなかったSE120だったので、「せっかくの口径を有効活用するには・・・・」ということで、今回は「SE120の口径の大きさを活かして、球状星団を分解する」というテーマです。

いつもは、ED80S(f=720mm)にSV32mmの組合せなので、22.5倍ということになります。今回は、SE120(f=600mm)にセレストロンのズームアイピースを18mmにあわせて、33.3倍といつもの1.5倍の拡大率で、口径120mmの分解能を活かした写真を撮ってみました。
日中は快晴、しかもこの時期にはめずらしい北風と、星空ながめには絶好のコンディション・・・・・でしたが、夕飯を食べて外を見ると「北極星が見えない!」。GPVデータを確認すると、どうも雲がかかったままで分が悪い。「まあ、今回はトライアル的なものだから」と北極星が雲から抜け出たタイミングで極軸あわせをし、南東の空の状態が良くなるのを待ちました。アンタレスが見えていたのでまずM4、9時過ぎになると少し雲が切れてきたのでへびつかい座に移動、球状星団を巡りました。

<さそり座の球状星団:M4>
さそり座の球状星団M4
カメラのLCDに写ったプレビュー見て、散開星団?と思ってしまったほど、大きくばらけた球状星団です。うっすらですが雲がかかっているせいか、かなり赤みがかった写真になりました。そこで、画像処理時に10%~15%ほど赤みをさっ引いて完成写真としております。(もとの色合いは下の写真。)
明るめの星は、やはり"青ハロ"が、特に周辺部は"色ずれ"状態ですが、予想よりは軽いという印象です。(ほんとうに晴天なら、もうちょっとひどいのかも)
M4のもとの色合い

<へびつかい座の球状星団:M10>
へびつかい座の球状星団M10
さそり座から一番たどりやすそうなM10からスタート。こちらは球状星団らしい?姿です。8×50mmのファインダーでもありかがわかるくらいでした。

<へびつかい座の球状星団:M12>
へびつかい座の球状星団M12
こちらもファインダーで位置が確認できる大きさです。明るめの星が多くなってきましたが、これくらいなら問題なし。

<へびつかい座の球状星団:M14>
へびつかい座の球状星団M14
雲が少しかかってきたので、星像としてはイマイチですが、細かい星がギュッと集まっている感じはよくわかります。晴れた日が楽しみです。

<へびつかい座の球状星団:M9>
へびつかい座の球状星団M9
雲がうっすらかかってきたこともあり、明るさも微妙。通常はISO250で撮影しているのですが、今回はISO400にアップ。画像処理の際、コントラストをいじるとノイズがだいぶ出ちゃいます。

<撮影条件>
今回はカメラは開放端、ズームもワイド端なので、合成F値は、
600÷120×(4.7/18)=1.31→1.4(カメラのF値)
ということになります。ピント合わせがかなりきびしいので、バーチノフマスクとヘリコイドを使用したいところです。
青ハロは思ったほどではなかったのですが、ズームアイピースだと光量ムラがひどく、フラットエイドでかなり"矯正"しています。
今回はアイピースの焦点距離で拡大率をあげましたが、次回アイピースはいつものSV-32を使用して、カメラズームを29mm→41mmにする方法で試してみようと思います。(ED80Sでは何度かやっているのですが・・・・)。

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