「・・・原発事故総理大臣として・・・」読みました2012年12月09日 21:00

東電福島原発事故総理大臣として考えたこと

「東電福島原発総理大臣として考えたこと」(幻冬舎)を読みました。この時期だから・・・というわけではなく、たまたま書店で見つけたから。発行日は、10/25。総選挙を予測してこの辺りに発行・・・・なんて、出版社は考えたのかも知れません。もちろん、菅元首相を応援しているわけでも、民主党支持でもありません。が、原発問題を考えるうえで、事故当時に国家の責任者がどんなことを考え、判断したのかちょっと興味があったからです。この手の本の場合、内容的に自分の正当性を主張したり弁明的だったりということが予想され、支持者でもなければ懐疑的に読んでしまいそうですが、なるべくそういう先入観を持たないよう心がけて読みました。私は当時報道されていた原発事故に関するあれこれの情報について、実はあまり関心がありませんでした。今回この本で、菅氏を通してではありますが、事故発生からの状況をひととおり掴むことができました。そして、今回の大惨事に相対する国家責任者として”最悪の事態を想定”したくだりでは、少し身につまされる感じも覚えました。脱原発を決めた他国の責任者は、同様な想いを巡らしたのではないでしょうか。それにくらべて、当事国のこれから国家責任者になるかもという人たちがあいかわらずなのは皮肉なものです。「あなたは、その覚悟があるのですか?」。菅氏ならずとも、そう問いたい気持ちになります。